ペルシャ絨毯の歴史 
◆ペルシャ絨毯の起源 ペルシャ絨毯の起源はギリシャ神話や聖書によると、4000年前から5000年前と言われておりますが、文献以外では証明するものがありません。しかし1949年にソ連のルーデンコ博士らによって、アルタイ山脈のパジリーク峡谷で約2500年前に手織られたものと推定されたペルシャ絨毯が発掘されました。
◆7世紀頃のペルシャ絨毯 7世紀、アラブに支配されイスラム教がもたらされるまでの古代ペルシャの宗教は、ゾロアスター教でした。空気・水・火・地の4元を「神聖な元素」とみなし、農耕と牧畜のみを高貴な職業とし、万物の創造は善と悪との戦いの結果であると言う3つの信仰箇条に基づく宗教で、この世界観が古代期のペルシャ絨毯のデザインに多大なる影響を与えました。 しかし、繊維の芸術であるペルシャ絨毯は500年以上を経て原形をとどめているものがほとんどないため、当時の絨毯を検証することはできません。もっとも、遊牧民の絨毯に伝承されているデザインの中にそれをうかがい知ることができます。
◆13世紀頃のペルシャ絨毯(停滞期) 13世紀にチンギス・ハンがセルジューク朝を滅ぼし、モンゴルが3世紀近くペルシャを支配しますが、この時期は支配者があまり芸術に興味を持たなかったために、ペルシャ絨毯に関して特記すべきことは何もありませんでした。
◆16〜18世紀のペルシャ絨毯(全盛期) そして、7世紀にもわたる異民族支配の後に生まれたサファビー朝ペルシャの16〜18世紀の200年間がペルシャ絨毯3000年の歴史の中で、もっとも重要な時期となります。この時期に美術館所属の多くの名品が作られ、ペルシャ絨毯のデザインの基本が完成されました。ペルシャは18世紀にアフガンの支配下に入り、これ以降ペルシャ絨毯の制作は停滞してしまいます。
◆19世紀のペルシャ絨毯 19世紀になって再び活気を取り戻し、タブリーズを中心にケルマン・カシャーンなどの地方都市において、それぞれの産地の特色を持ったレベルの高い絨毯が織られるようになりました。
◆現代のペルシャ絨毯 20世紀に入り、機械織絨毯の普及に伴い、手織絨毯も現代の多様なライフスタイルに適合するように変化していきます。絨毯の素材・用途・パターンの多様化、装飾デザインの洗練化、技術の向上などが見られる一方で、古くからの伝統的な装飾デザインが忘れられ、新しいタイプの装飾意匠が多用されつつあります。 また、遊牧民の定着化によって遊牧と言う生活形態が消滅してしまうことは明らかであり、遊牧民の絨毯の価値が高くなるのは自然の理と考えられます。
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